フルセラミッククラウンはオールセラミッククラウンとも呼ばれ、クラウンの内側も外側もセラミックで作られています。
とても自然な見た目で美しいため審美歯科治療で用いられますが、強度もあり現在では多くの治療に使われる人気のクラウンです。
ここでは、その自然な仕上がりと強度について解説します。

フルセラミッククラウンとは

フルセラミッククラウンは、白い陶製の材料（セラミック）だけで作られた歯の被せ物（クラウン）です。
保険診療では金属が使われますが、フルセラミッククラウンには金属が一切含まれないため、金属アレルギーの体質でも安心して使用できます。
何よりその審美性と機能性は非常に高く、見た目がとても自然で透明感があるのが特徴です。
クラウンの内側も外側も100％セラミックのみで作られるため、特別な美しさがあり品質は長期的に安定します。

なぜフルセラミッククラウンは自然なのか

フルセラミッククラウンは、自然な仕上がりが特徴ですが、その理由は天然の歯が持つ透明感を強く出すことができるためです。
人の歯をよく見ると非常に透き通っていることに気づきますが、セラミック素材はこの独特の透明感とその人本来の歯の色味を細かく再現することができるため、とても自然に見えます。
また、プラスチックは飲食物の色素が着色したり劣化で黄ばみが起こったりしやすいのですが、セラミック素材にはこうした劣化がありません。
紅茶などを飲んでも茶渋が付きにくいですし、食物のステインなども付きにくく、簡単に落とすことができます。
年月が経過すると人の歯ぐきはどうしても下がってきますが、それでもクラウンと歯の境目が黒く線になることはありません。
人体との馴染みも良く、長年にわたって美しいまま使い続けられるのが特徴です。

フルセラミッククラウンの強度は？

セラミックは陶器と同じ素材ですので、強い力が加われば割れるリスクはあります。
ただ、歯科治療に用いられるフルセラミッククラウンは補強のため厚みを持たせており、非常に高い強度を出せるようになっているのです。
また、ひと昔前のクラウンとは異なり、現在のセラミック素材は粒子が非常に細かく、粒子同士の密着度が高められたことで非常に強度が増しています。
摩耗する心配もなく、通常の生活においては歯の状態を長く維持することができるでしょう。
白さの面でも変色の心配がないため、耐久性に優れています。
限度を超える強度では確かに割れてしまいますが、日常生活において心配する必要はありません。

まとめ

フルセラミッククラウンは、すべてセラミック素材で作られており、自然で美しい仕上がりと高い強度が魅力です。
費用は保険診療よりも高くなりますが、歯は一生ものだということを考慮すれば、理想的な選択と言えるでしょう。