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親知らず放置して大丈夫?抜くべきか迷ったら知ってほしいサインとリスク

「親知らず=痛い・抜くべき」そのイメージ、実は誤解かも?

「親知らずが生えてきたかもしれない…」 「痛いって聞くし、絶対に抜かないといけないのかな…」

奥歯のあたりに違和感を覚えると、多くの方がこんな不安を抱えるのではないでしょうか。テレビや友人から「親知らずの抜歯はすごく腫れて痛かった」なんて話を聞くと、歯科医院へ行くこと自体をためらってしまいますよね。

確かに、親知らずが原因で辛い思いをされる方がいるのは事実です。 しかし、「親知らずは、生えてきたらすべて抜かなければならない」というのは、実は誤解だということをご存知でしたか?

もちろん、将来的にトラブルの原因になる可能性が高い親知らずは、適切なタイミングで抜歯をおすすめします。ですが、中には抜く必要がなく、そのままご自身の歯として問題なく機能し続けるケースもあるのです。

大切なのは、あなたの親知らずが「抜くべき歯」なのか、それとも「抜かなくても良い歯」なのかを正しく知ること。 この記事では、その判断基準を一つひとつ分かりやすく解説していきます。まずはご自身の状況と照らし合わせながら、読み進めてみてください。

抜かなくても良い親知らずの3つの条件

では、どのような親知らずであれば、抜かずに済むのでしょうか。 一言でいえば、「他の歯と同じように、正しく機能していて、トラブルを起こすリスクが低い親知らず」です。 具体的には、以下の3つの条件をすべて満たしていることが一つの目安となります。

条件1:他の歯と同じように、まっすぐきれいに生えている

親知らずが骨の中に埋まっていたり、斜めに生えたりせず、他の奥歯と同じように垂直にまっすぐ生えている場合は、抜かなくても良い可能性があります。きれいに生えていることで、上下の歯がしっかりと噛み合い、食事の際にも機能していることが多いです。

条件2:歯ブラシがしっかり届き、きれいに磨けている

親知らずは一番奥にあるため、歯ブラシが届きにくく、非常に磨き残しが多い場所です。しかし、生え方によっては歯ブラシがすみずみまで届き、ご自身でしっかりと汚れを落とせている場合があります。

ただし、ここで一つ注意点があります。ご自身では「きれいに磨けている」と思っていても、実はプロが見ると磨けていないケースがほとんどなのです。 細かい部分に汚れが残り、そこから虫歯や歯周病が静かに進行してしまうことも少なくありません。

条件3:現在、痛みや腫れがなく、周りの歯ぐきも健康

親知らず自身や、その周りの歯ぐきに痛みや腫れなどの炎症がないことも重要な条件です。過去に一度も腫れたことがなく、レントゲンで確認しても、骨の中に膿の袋などが見られない場合は、健康な状態と判断できる可能性があります。

【まとめ】3つの条件を満たしていても、まずは専門家の診断を

これら3つの条件をすべて満たしている親知らずは、急いで抜歯する必要はないかもしれません。しかし、先ほどお伝えしたように、本当にきれいに磨けているかどうかの判断はご自身では非常に難しいものです。 「自分は大丈夫そう」と感じたとしても、一度は歯科医院で専門家のチェックを受け、客観的な診断をもらうことを強くおすすめします。

放置は危険!抜歯を推奨する親知らずのケース

抜かなくても良い親知らずがある一方で、放置してしまうと口の中に大きなトラブルを引き起こす親知らずも少なくありません。「まだ痛くないから大丈夫」と思っていても、気づかないうちに問題が進行していることもあります。

以下に挙げるようなケースに一つでも当てはまる場合は、抜歯を検討した方が良いかもしれません。

ケース1:親知らず自身が虫歯になっている

一番奥にある親知らずは歯磨きがしづらく、虫歯になりやすい歯の代表格です。たとえ治療をしても、再び虫歯になるリスクが非常に高く、場合によっては手前の健康な歯まで虫歯にしてしまう恐れがあります。

ケース2:親知らずの周りの歯ぐきが、たびたび腫れたり痛んだりする

親知らずの周りの歯ぐきが炎症を起こす「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」は、疲れがたまっている時などに繰り返しやすいのが特徴です。炎症がひどくなると、口が開きにくくなったり、顔が腫れたりすることもあります。

ケース3:斜めや横向きに生えて、手前の歯に悪影響を与えている

親知らずがまっすぐ生えず、手前の歯にぶつかるように生えてくると、その歯の根を溶かしてしまったり、歯と歯の間に汚れが溜まりやすくなることで、手前の健康な歯が虫歯や歯周病になったりするリスクが高まります。

ケース4:歯並び全体を乱す原因になっている

横向きに生えた親知らずが手前の歯をぐっと押し続けることで、時間をかけて前歯の歯並びまでガタガタにしてしまうことがあります。矯正治療を考えている場合や、すでに治療が終わった方も、親知らずが悪影響を及ぼす可能性がある場合は抜歯が推奨されます。

歯科医院ではこう判断する!CT撮影と精密診断の重要性

「自分の親知らずは、抜くべきケースに当てはまるかもしれない…」 そう感じたとしても、すぐに「はい、抜きましょう」となるわけではありません。歯科医院では、患者様一人ひとりのお口の状態を正確に把握するための精密な検査を行います。

その診断の要となるのが、レントゲン撮影、特に「歯科用CT」による検査です。

なぜCT撮影が重要なのか?

一般的なレントゲン(パノラマレントゲン)でも、親知らずがどの方向を向いて生えているか、といった大まかな状態は分かります。 しかし、これはいわば平面的な情報です。一方、歯科用CTでは、お口の中を3次元の立体的な画像で捉えることができます。これにより、

  • 親知らずの根の形や数
  • 骨の中に埋まっている深さ
  • 顎の骨の中を通る太い神経や血管との正確な位置関係

といった、平面のレントゲンでは見えない部分まで、ミリ単位で詳細に把握することが可能になります。

特に、顎の骨の中には「下歯槽神経(かしそうしんけい)」という、下唇や顎の感覚を司る非常に大切な神経が通っています。親知らずの根がこの神経に近い場合、抜歯の際に神経を傷つけてしまうリスクもゼロではありません。

CT撮影によって、事前にそのリスクを正確に把握し、安全な抜歯計画を立てることができるのです。見た目ではまっすぐ生えているように見えても、CTで見ると根の先が神経のすぐそばにある、というケースも少なくありません。

患者様ご自身が安心して治療の相談を進めていくためにも、このCTによる精密診断は、いわば「安全な治療のための詳細な地図作り」であり、非常に重要なステップと言えます。

抜くべきか迷ったら?かわべ歯科クリニックにご相談ください

ここまで親知らずについて解説してきましたが、ご自身の状況と照らし合わせ、不安が大きくなった方、あるいは「抜かなくても良いのかもしれない」と少し安心した方、様々だと思います。 いずれにせよ、最終的な判断には専門家による正確な診断が不可欠です。

金沢市のかわべ歯科クリニックでは、まず患者様のお話をじっくりと伺うことから始めます。

私たちが大切にしているのは、患者様一人ひとりの不安なお気持ちに寄り添い、十分な情報をご提供した上で、ご自身に治療方針を選んでいただくことです。

先の章でご説明した歯科用CTによる精密な検査はもちろんのこと、その結果を専門用語ではなく、分かりやすい言葉で丁寧にご説明します。その上で、あなたの親知らずにとって最適な選択肢を複数ご提案し、それぞれのメリット・デメリットをきちんとお伝えします。

急な痛みや腫れでお困りの方へ

今まさに親知らずが痛んでお困りの方には、少しでも早くその辛い症状を和らげるための「点滴治療」もご提案しています。お薬を飲むよりも早く、体の中から抗菌薬や鎮痛薬を効かせることができるため、症状を迅速に抑えることが可能です。

抜歯が必要な場合でも、決して無理強いはいたしません。なぜ抜歯が推奨されるのかをご理解いただき、患者様ご自身が「納得」してから治療に進むことをお約束します。

私たちは、対応の難しい親知らずのケースにも、これまで数多く携わってまいりました。どんな些細なことでも構いません。親知らずに関する不安は一人で抱え込まずに、どうぞ安心して私たちにご相談ください。

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まとめ|自己判断せず、まずは専門家に見てもらうことが大切

今回は、親知らずを抜くべきケースと、必ずしもそうではないケースについて解説してきました。

  • 親知らずは、必ずしもすべて抜く必要はない
  • 「まっすぐ生えている」「きれいに磨けている」など、抜かずに済む条件がある
  • 一方で、虫歯や歯ぐきの腫れ、歯並びへの悪影響など、放置が危険なケースも多い
  • 抜くかどうかの正確な判断には、歯科用CTなどによる精密な診断が欠かせない

この記事で最もお伝えしたかったのは、ご自身の判断で「抜かない」と決めつけてしまうのが最もリスクが高いということです。

痛みなどの自覚症状がないと、つい歯科医院から足が遠のいてしまいがちです。しかし、問題が起きてからでは治療が大掛かりになったり、手前の健康な歯まで失うことになったりする可能性もゼロではありません。

大切なのは、まずご自身の親知らずが今どのような状態で、将来的にどのようなリスクを抱えているのかを正確に知ることです。

金沢市のかわべ歯科クリニックでは、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせて、最適なアドバイスをさせていただきます。不安なこと、分からないことがあれば、どんなことでもお尋ねください。

あなたの健康な未来のために、まずはその第一歩を踏み出してみませんか。

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